国民年金の学生納付特例分の追納
2015/08/11
我が家では昨年国民年金の学生納付特例の追納を行いました。
追納するにあたり、メリットやリスクについて調べたことを書いてみたいと思います。
メリット
安い終身年金
国民年金は終身年金であるため、支給開始年齢後は生きている間はずっともらうことができます。
民間の年金にも終身年金はありますが、かなり保険料が高く、元を取るのに20年前後かかるため、わざわざ加入する気にはなりません。
それに対し、国民年金は基礎的な年金部分であるため、保険料が安く設定されており、約10年で元が取れます。
思いのほか長生きしてしまったというリスクに最低限のヘッジを掛けるには、国民年金の給付額を上げるための追納は悪くない選択肢だと思います。
国民年金の支払いは所得控除
国民年金の支払いは所得控除されるため、所得税率+住民税率分だけ支払う税金が安くなります。
その分だけもとを取るための年数が減ります。
なるべく収入が高くなったときに納付するほうが得なるので、学生の方は是非納付特例を使用し、将来収入が多くなった時に納付することをお勧めします。
インフレヘッジが効く
国民年金はインフレヘッジが効くため、将来のインフレリスクをある程度ヘッジ可能です。
将来物価が値上がりしてしまったときにも支給額が増えるので対応可能です。
ただし後述するマクロ経済スライドが導入されているので、効果は限定的です。
追納の効果の試算
現状の状況が維持されると考えて、追納の効果を試算してみます。
国民年金は40年納付が基本なので、1年分未納付があると、もらえる金額が1/40減額されます。
平成26年の支給額は年間772,800円なので1年分追納することで、その1/40、19,320円支給額が増加します。
例えば平成16年分を追納した場合、月額保険料は14,750円なので合計177,000円必要となり、9年2ヶ月支給されればもとを取ることができます。
これに所得控除を考慮すると、税率40%の場合は5年6ヶ月、30%の場合は、6年5ヶ月の支給でもとがとれることになります。
65歳から5、6年ならば平均寿命まではまだしばらくあるので、そのくらいは生きれそうな気がします。
リスク
公的年金は少子高齢化の影響もあり、制度自体がこのまま維持されないリスクがあります。
マクロ経済スライド
以前は物価スライドといって物価があがっただけ、年金額も増加していました。
現在はマクロ経済スライドという制度に変更されて、物価上昇ほどは年金額は上昇しなくなっています。
逆に物価下落の際は下落率と同じ幅で減少します。
それでも物価が上昇すると考えれば、インフレヘッジの全く効かない貯金で持っておくよりはましですが。
支給額切り下げ
上記のマクロ経済スライドに加えて、支給年齢の切り上げや、支給額の切り下げによりもらえる支給額が減ってしまうリスクがあります。
どちらかというと厚生年金のほうを調整されそうな気がしますが、支給年齢のさらなる切り上げなどはありえるのではないでしょうか。
年金制度崩壊
できればない、と考えたいですが年金制度が完全に破綻してしまい、これまで納めた保険金がリセットされてしまうというリスクもあります。
まとめ
以上のようなメリットとリスクがありますが、現状のままなら5、6年でもとがとれるので、多少状況が悪くなっても、損する可能性は少ないと思います。
たとえば、支給額が半額になったり、支給年齢が70歳からになったとしても、75歳まで生きればもとを取ることができます。
さらに国民年金は年金制度の1階部分である老齢基礎年金に相当するので、この部分への減額は厚生年金への減額に比べて可能性が低いのではないでしょうか。
そのように考えて我が家では長生きリスクへの保険として、追納を行いました。