Seesaaブログの独自ドメイン設定を使ったリダイレクトでWordPressへ引っ越し

ドメイン変更を伴うサイトの移転の際には、前のドメインから新しいドメインへリダイレクトさせることが重要です。サイト利用者や検索エンジンを旧サイトから新サイトへ誘導してあげなければ、スムーズな移転を行う事ができません。
また検索エンジンに移転を知らせなければ、重複コンテンツとしてペナルティーを受ける可能性があります。

Seesaaブログでは最近になって独自ドメインを設定するとSeesaaブログでリダイレクトをしてくれるようになりました。

今回はそのリダイレクトを使用して、当サイトをSeesaaブログからWordPressへ移転したときのことをご紹介します。
Seesaaブログの記事ではありますが、HTTPリダイレクトに対応しているブログサービスなら応用可能だと思います。

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Seesaaブログからリダイレクトする2つの方法

Seesaaブログからリダイレクトをしつつ移転する方法は大きく2つあります。
一つはhtmlにrel=canonicalとmeta refreshを設定してリダイレクトを行う方法、もう一つは独自ドメインを設定してHTTPリダイレクトを行う方法です。
前者は以前のSeesaaブログなど、HTTPリダイレクトに対応していない無料ブログでよく行われる方法のようです。

メタタグを利用したリダイレクト

WordPressの各ページ名(slug)をSeesaaのブログの各ページから取得できる情報と一致させ、SeesaaブログのHTMLを編集し、リダイレクトを行います。
以下の記事に詳しい解説があります。

Seesaaのmeta keywordとWordPressのページ名を同一のものを設定して、リダイレクトさせています。
SeesaaもWordPressも各記事を編集しないといけないので、手間はかかりますが、新サイトのページ名を好きに決められるというメリットがあります。

SeesaaのブログタイトルとWordPressのページ名を同一のものにして、リダイレクトさせています。
タイトルが一定の条件を満たしていれば、比較的楽にリダイレクトを設定することができます。
インポートの際に、Stingerなど日本語のSlugを出力しないようにするテーマを使用していると失敗するので注意が必要です。

Seesaaブログの独自ドメイン設定でのリダイレクト

Seesaaブログでは2014年11月から独自ドメインを設定すると全てのページを新しいドメインにリダイレクトするようになりました。

Seesaaブログと新サイトでドメイン以下の各ページのurlを同一にしておけば、HTTPリダイレクトしてくれます。

Seesaaブログの独自ドメイン設定のメリット

独自ドメイン設定を使用するほうが、以下のようなメリットがあります。

スマホページを含めた全てのページにリダイレクトを設定可能

Seesaaブログではスマホページのカスタマイズをする事は一切出来ません。
そのため、HTMLを編集する方法ではスマホ用のページにリダイレクトを設定する事はできません。

HTTPリダイレクトならスマホページもリダイレクトされるようになります。
アクセス解析を見ていると、最近はスマホのアクセスのほうがPCのアクセスより多いようなので、スマホにリダイレクトを設定することは新サイトへの誘導へは重要です。

ただし、SeesaaブログではスマホページとPCページでURLの構造が違うので、新サイトの方でもう一段階リダイレクトする必要があります。

サイト内リンクの修正が楽

ドメイン以下のurlが同じなのでサイト内に貼ったリンクの修正が一括で置換できて楽です。

Seesaaブログの独自ドメイン設定のデメリット

一方で以下のようなデメリットもあります。

所詮302リダイレクト

サイトの移転の際には恒久的な移転を意味する301リダイレクトを使用するのが、検索エンジンの評価を引き継ぐには一番よいと言われています。
Seesaaブログで独自ドメインを設定した場合はなぜか302リダイレクトでリダイレクトされます。

技術的にはサーバーでどちらを使うかは設定次第なので、301を使わない理由は移転しにくくするためか、特にあまり考えていないかどちらかだと思います。

ちなみにFC2の有料プランの場合は301リダイレクトされるようです。

結局どちらがいいか

メタタグによるリダイレクトと302リダイレクトどちらを使った方が検索エンジンの評価を引き継げるのかというのが一番気になる点だと思います。

両者を比較したような記事は見つからなかったため、正直よくわからないというのが私の答えですが、どちらも301リダイレクトではない、という点で大して変わらないのではないかと思っています。

もし両者でさほど差がないならば前述したようなメリットがあるため、HTTPリダイレクトが良いということになります。
301リダイレクトでも評価の移行には一ヶ月程度かかるそうなので、ある程度期間がたったらまたご報告しようかと思います。

追記

特に302リダイレクトでも(googleでは)問題なく移転できたようです。
移転後の変化を以下の記事にまとめました。

独自ドメイン設定での移転のながれ

独自ドメイン設定での移転の流れは以下のようになります。

  1. 使用するドメインでWordPressのサイトを立ち上げ
  2. Seesaaのデータをインポート
  3. 追加のリダイレクトを設定
  4. DNSのCNAMEレコードをSeesaaに設定
  5. Seesaaで独自ドメインを設定
  6. DNSのCNAMEレコードを削除
  7. Search Console(Webmasterツール)への登録、サイト移転申請

以下詳細です。

新サイトの作成

レンタルサーバー、ドメインの契約

サイト作成前にレンタルサーバーやドメインを契約する必要があります。

私はレンタルサーバーはエックスサーバー、ドメインはお名前.comで契約しました。
エックスサーバーでは新規契約時にドメイン無料キャンペーンをよく実施しています。
新規にエックスサーバーで契約する場合は、このドメインを利用するのがよいと思います。

DNSの設定

ネームサーバーはレンタルサーバーのものを使用します。

お名前.comでエックスサーバーのネームサーバーを使用するには、以下のように、管理画面からネームサーバー情報にns1.xserver.jp~ns5.xserver.jpを入力します。


Seesaaで独自ドメインを設定する際に、CNAMEレコードを一旦Seesaa側に向ける必要がありますが、基本的には新サイトに向けておきます。
ネームサーバーの変更が反映されるには1日程度かかるようです。

WordPressの設定

DNSの設定が反映されたのちに、新たに使用するドメインを使って、新サイトを立ち上げます。

移行が完了するまでは検索エンジンに重複コンテンツとして認識されないようにWordPressのインストールが終わったら最初に、表示設定の「検索エンジンがサイトをインデックスしないようにする」をチェックしておきます。

またSeesaaの記事とurlが同じになるようにパーマリンク設定のカスタム構造で以下のように設定します。

/article/%postname%.html

このパーマリンクを使いたくない場合は、後述するリダイレクトの設定でもう一段リダイレクトを設定すれば、違うパーマリンクを設定できます。

Seesaaブログのデータをインポート

Seesaaブログから以下のデータをインポートする必要があります。

ブログ記事をインポート

SeesaaブログからMT形式でエキスポートします。
UTF-8で全期間分コメントを含めてエキスポートしましょう。
トラックバックやタグが必要ならそれもチェックしておきます。WordPressのツールのインポートからMovable Type and TypePadを選択し、プラグインをインストールして、データをインポートします。

画像をインポート

Seesaaブログから画像を一括してダウンロードする方法は現状ありません。
プログラムを利用してダウンロードするか、一枚ずつ手動でダウンロードするしかありません。

Seesaaブログで貼り付けた画像はサムネイルも生成されているため、そちらもダウンロードする必要があります。
SeesaaブログにアップロードしたファイルがPCに残っていればその画像を使用したいところですが、サムネイルファイルをダウンロードもしくは生成する必要があります。
これが一番大変な作業だと思います。

画像はファイルマネージャからダウンロードします。
サムネイルは一覧の小さい画像を右クリックして「別名で画像を保存 」でダウンロード。

メインの画像はクリックすると出てくるファイル編集画面で「別名でリンク先を保存」でダウンロードします。

必要な画像がダウンロードできれば、WordPressのメディアの新規追加でアップロードします。

slugのインポート

WordPressのslugにSeesaaブログの記事のURLと同じものを設定していきます。

これはSeesaaブログで生成できる検索エンジン用のXML Sitemapを参照しながらクイック編集でslugを設定していくと比較的簡単です。
XMLSitemapを出力するよう設定していない方は、設定の外部連携で「検索エンジンにサイトマップを出力送信」を「送信する」にしてサイトマップを生成してください。

SeesaaブログのXML Sitemapは複数ファイルに分かれています。
http://xxxx.seesaa.net/sitemap.xmlにブラウザからアクセスすると以下のように表示されます。

ここのsitemap.xml?page=n(n=1,2,3…)のファイルに記事のurlが入っています。
http://xxxx.seesaa.net/sitemap.xml?page=nを開くと公開日の降順にurlが記載してあります。

これを参照しながら記事のslugを編集していきます。
記事一覧からクイック編集でslugを編集すると楽です。

urlを修正

画像とサイト内のリンクを修正します。
これはブログ記事をインポートする前にエディタ等で置換してもいいかもしれません。

Seesaaの画像のURLはxxxx.up.seesaa.netなので2つアドレスを置換する必要があります。

インポート後に行う場合はプラグインやphpMyAdminからデータベースの値を変更します。
phpMyAdminから変更する場合は以下のSQLを実行します。

UPDATE wp_posts SET post_content=REPLACE(post_content,"xxxx.seesaa.net","新ドメイン");
UPDATE wp_posts SET post_content=REPLACE(post_content,"xxxx.up.seesaa.net/image","画像アップロード先URL");

最後に、リンク切れがないか確認します。
私はBroken Link Checkerというプラグインを利用しました。

リダイレクトを設定

記事ページへはパーマリンクとslugの設定でリダイレクトが可能ですが、その他のページやスマホ版のurlには別途リダイレクトを設定する必要があります。

Apacheの.htaccessに記載してもいいのですが、私は管理が楽なのでRedirectionというプラグインを利用しました。

リダイレクトの回数はなるべく少ないほうが良いので、以下のようにリダイレクトを設定して多くてもSeesaaでのリダイレクト+1回でリダイレクトが終了するようにします。

スマホページ

スマホページはトップページと記事ページ用にリダイレクトを設定します。

その他のスマホページ用のリダイレクトは別途設定するもので処理されます。

トップページには以下のようにリダイレクトを設定します。

SourceURL : /s/
Regular expression : アンチェック
TargetURL : /

記事ページは以下のように設定します。

SourceURL : /s/article/(.*)
Regular expression : チェック
TargetURL : /article/$1

カテゴリページ

パーマリンクにの先頭にarticle/をつけた影響でカテゴリページはarticle/category/{カテゴリslug}というurlになっています。

カテゴリごとに以下のようにリダイレクトを設定していきます。

SourceURL : .*category/{Seesaaのカテゴリurl}.*
Regular expression : チェック
TargetURL : /article/category/{カテゴリslug}

スマホページは/s/category/というURLになるので、最初の.*を指定しています。
またSeesaaのカテゴリページには複数ある場合は{カテゴリurl}-{ページ数}.htmlといったurlも存在するため後半の正規表現が必要になります。

日本語のslugを設定している場合はurlをエンコードする必要があります。
上の画像はふるさと納税というカテゴリのリダイレクトの例です。
URLのエンコードには私は以下のサイトを利用させていただきました。

 

タグページ

タグページにも必要ならリダイレクトを設定しておきます。

対応するページを作成しないならトップページへのリダイレクトでもいいと思います。

リダイレクトの仕方はカテゴリページとほぼ同様です。

過去ログページ

過去ログページも正規表現を書けば、適切にリダイレクトすることが可能だと思いますが、過去ログページはあまり直接アクセスはないので、さほど重要ではないと思います。

私は面倒だったでのトップページへリダイレクトさせました。

SourceURL : .*arichives.*
Regular expression : チェック
TargetURL : /

トップページへリダイレクトさせていると、ウェブマスターツールで間違ったリダイレクトという警告がでるようになってしまいました。

現在ではちゃんとアーカイブページもリダイレクトさせています。
Seesaaブログには日別アーカイブベージと月別アーカイブページが存在するので、その2つにリダイレクトを設定します。

日別アーカイブページ
SourceURL : .*/archives/(\d{4})(\d{2})(\d{2})[\-\.].*
Regular expression : チェック
TargetURL : /article/$1/$2/$3

月別アーカイブページ
SourceURL : .*/archives/(\d{4})(\d{2})[\-\.].*
Regular expression : チェック
TargetURL : /article/$1/$2

なお、リダイレクトを設定すると、リンクを設定していなくてもクロールされてしまうので、不必要ならあえてリダイレクトを設定しない、metaタグにてno index, followを指定するなどの対応が必要です。
個人的な感覚ですが、リダイレクトを設定せずに404エラーになるページよりは、リダイレクトを設定してno indexを指定しているページのほうがキャッシュから消えるのが早いようなきがします。

metaタグの指定については以下の記事をご参考ください。

サイトの移転

サイトのテーマやカスタマイズが終了して、公開可能な状態になったらいよいよ移行の開始です。

これ以降は旧サイトからの流入が始まるのと、一時的に新サイトにアクセスできなくなる可能性があるので、表示設定の「検索エンジンがサイトをインデックスしないようにする」をチェックをはずしておきます。

DNSのCNAMEレコードをSeesaaに設定

Seesaブログで独自ドメインを設定するにはDNSのCNAMEレコードにc.seesaa.netを設定する必要があります。

エックスサーバーではサーバーパネルのDNSレコード設定から以下のように入力します。


一度設定してしまえば、解除しても問題ないのですが、とりあえずはSeesaaにドメインが向くようにしないといけません。
DNSレコードの設定は、当サイトで行ったときには一瞬で反映されましたが、しばらく時間がかかることがあるようです。
これ以降新サイトにはしばらくアクセスできなくなる場合があるのでやるべきことは全て終わらせてしまってからにしましょう。

当サイトのようにサブドメインを使用する場合は特に気をつける点はありませんが、トップドメインを使用する場合は注意が必要だそうです。

 

Seesaaブログで独自ドメインを設定

設定の独自ドメインのところで新ドメインを設定します。
上記のCNAMEレコードが設定されていないと設定できないので注意してください。

これでSeesaa側の準備が完了すれば、xxxx.seesaa.netにアクセスした際に新サイトへリダイレクトされるようになります。
Seesaa側の準備に1時間程度かかるようです。

DNSレコードを削除

このままでは新ドメインにアクセスするとSeesaaブログが表示されてしまうので、独自ドメイン設定が完了したら、CNAMEレコードを削除します。
もしサブドメインでないドメインを設定した場合などAレコードも修正した場合はもとにもどします。

 Search Console(Webmasterツール)に登録、サイトの移転を申請

新サイトにアクセスできるのを確認したら、新サイトをSearch Console(Webmasterツール)に登録し、旧サイトのページからサイトの移転を申請します。

コメントいただきましたが、旧サイトの所有権確認方法(HTMLタグ、HTMLファイル)によっては、リダイレクトを設定することで、所有権が確認できなくなり、移転申請がうまくいかないことがあるようです。
Google Analyticによる所有権確認ならサイトにかかわらず、アカウントで共通なので問題ありません。
未確認ですが、おそらくタグマネージャによる確認でも大丈夫だと思います。
申請に失敗した場合は旧サイトの所有権確認方法を変更してみてください。

 

これでサイトの移転は完了となります。

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