結局電力自由化で関東ではどこの電力会社を使えばよいのか 有力候補4社の比較
さていよいよ4月から電力自由化が解禁され、発電を行う電力会社を選ぶことができるようになります。
当サイトでも数社東京電力と料金を比較した記事を書いていますが、そろそろほぼ全てのプランが発表されただろうということで、どの会社を使うか決めようと思い、色々調べてみました。
比較サイトは便利なのですが、使用量を固定して比較しないといけないこと、比較している条件が明確でないこと、比較サイトの都合で若干公平性に欠けそうなことから自分で比較してみました。
候補は関東で料金が安そうな東京ガス、ENEOSでんき、myでんき(東燃ゼネラル石油)、looopでんきです。
我が家ではセット割引で恩恵がありそうなのは、東京ガスくらいなので、その他のセット割引でお得になる会社は対象にしていません。
また現在40Aを使用しているので、料金は東京電力の従量電灯B相当で40Aのものを比較しています。
比較候補の料金など概要
東京ガス ずっとも電気1
東京ガスのずっとも電気1の基本料金は東京電力と同額です。
契約 | 基本料金 |
30A | 842.4 |
40A | 1123.2 |
50A | 1404 |
60A | 1684.8 |
電力量料金はちょっと変則的な3段階料金を採用しています。
2段、3段料金が東電より安いため、使用量がある程度多い場合に恩恵があります。
東京ガス | 東京電力 | |||
使用量 | 1kWhの料金 | 使用量 | 1kWhの料金 | |
第1段階料金 | -140kWh | 23.24 | -120kWh | 19.43 |
第2段階料金 | 140-350kWh | 23.45 | 120-300kWh | 25.91 |
第3段階料金 | 350kWh- | 25.93 | 300kWh- | 29.93 |
月額270円のガスとのセット割り引きがあります。
今回の比較ではセット割引を考慮にいれています。
またポイントが1.5%(1000円につき15ポイント)つきます。
ENEOSでんき
ENEOSでんきの基本料金は東京電力と同額です。
契約 | 基本料金 |
30A | 842.4 |
40A | 1123.2 |
50A | 1404 |
60A | 1684.8 |
電力量料金は3段階料金を採用しています。
2段、3段料金が東電より安いため、使用量がある程度多い場合に恩恵があります。
ENEOSでんき | 東京電力 | |||
使用量 | 1kWhの料金 | 使用量 | 1kWhの料金 | |
第1段階料金 | -120kWh | 20.76 | -120kWh | 19.43 |
第2段階料金 | 120-300kWh | 23.26 | 120-300kWh | 25.91 |
第3段階料金 | 300kWh- | 23.75 | 300kWh- | 29.93 |
2年自動更新の契約を行うとさらに1kWhあたり0.2円安くなります(3年目以降0.3円)。
今回の比較では2年契約の0.2円割引を適用したものも比較しています。
ポイントは0.5%つきます。
またENEOSでの給油が最大月150円まで割引(最大150Lまで、1Lにつき1円割引)されます。
myでんき(東燃ゼネラル石油)
東燃ゼネラル石油のmyでんきには基本料金も電力量料金も東京電力の料金からアンペア数によって、一定割合割り引かれる「標準プラン」と、基本料金は東電と同額で多く使えば電力量料金が安くなる「たっぷりプラン」があります。
今回は一応どちらも検討してみました。
基本料金含め、一定割合で割り引かれるプランは電気使用量が少なくても恩恵があります。
ただし、myでんきの場合、30Aだと一律3%割引になってしまうため、アンペア数を下げたい場合はアンペア数によらず、5%割引されるHTBエナジーも検討してみると良いと思います。
契約 | 標準プラン基本料金 | たっぷりぷらん基本料金 |
30A | 817.13(-3%) | 842.4 |
40A | 1067.04(-5%) | 1123.2 |
50A | 1333.8(-5%) | 1404 |
60A | 1583.71(-6%) | 1684.8 |
電力量料金はたっぷりプランでは4段階料金を採用しています。
標準プラン(40A) | たっぷりプラン | |||
使用量 | 1kWhの料金 | 使用量 | 1kWhの料金 | |
第1段階料金 | -120kWh | 18.46(-5%) | -120kWh | 19.52 |
第2段階料金 | 120-300kWh | 25.13(-5%) | 120-300kWh | 26 |
第3段階料金 | 300kWh- | 28.43(-5%) | 300-600kWh | 24.62 |
第4段階料金 | – | – | 600kWh- | 25.67 |
looopでんき
looopでんきは基本料金無料で電力量料金は一段階のみのシンプルなプランを提供しています。
基本料金 | 電力量料金(1kWhあたり) |
0 | 26 |
基本料金がかからず電力量料金も一定のため、電気使用量が少なくても多くても恩恵をうけることができます。
比較的新しい会社ですが、今回比較する会社の中で、唯一再生エネルギーを推している会社でもあります。
実は基本料金無料のプランでいうと料金自体は、中国電力のプランのほうが1kWhあたり25.62円と安いのですが、燃料費調整が東京電力とは異なっています。
燃料の価格変化に対しての電力量料金の変化が東京電力より小さくなるようになっています。
現在は燃料費が安くなっており、燃料費調整はマイナスなので、それを考慮するとlooopでんきのほうが安くなります。
もちろん将来再び燃料費が高くなれば逆転する可能性はあるのですが、今回の基本料金無料枠ではlooopでんきを採用しました。
ちなみに燃料費調整はほとんどの会社で、関東で使用する場合であれば東京電力のものと同じに設定されているようです。
料金比較
各プランの料金を使用量ごとに比較しました。契約は40Aのものです。
燃料費調整や再生可能エネルギー発電促進賦課金は含まれていません。
括弧内は東京電力の従量電灯Bと比較してどれだけ安いかを表示しています。
値が大きい方が安く、マイナスの場合は東京電力より高くなります。
各使用量ごとにいちばん安いプランを太字で表示しています。
使用量(kWh) | 東京ガス | ENEOSでんき | ENEOSでんき (2年とくとく割) |
Looopでんき | Myでんき (標準プラン) |
Myでんき (たっぷりプラン) |
200 | 5,514 (0.2%) |
5,475 (0.9%) |
5,435 (1.7%) |
5,200 (5.9%) |
5,251 (5.0%) |
5,546 (-0.3%) |
250 | 6,686 (2.0%) |
6,638 (2.7%) |
6,588 (3.4%) |
6,500 (4.7%) |
6,482 (5.0%) |
6,846 (-0.3%) |
300 | 7,859 (3.2%) |
7,801 (3.9%) |
7,741 (4.6%) |
7,800 (3.9%) |
7,713 (5.0%) |
8,146 (-0.3%) |
350 | 9,031 (6.1%) |
9,089 (5.5%) |
9,019 (6.2%) |
9,100 (5.4%) |
9,134 (5.0%) |
9,377 (2.5%) |
400 | 10,328 (7.1%) |
10,376 (6.6%) |
10,296 (7.3%) |
10,400 (6.4%) |
10,556 (5.0%) |
10,608 (4.5%) |
500 | 12,921 (8.4%) |
12,951 (8.2%) |
12,851 (8.9%) |
13,000 (7.8%) |
13,399 (5.0%) |
13,070 (7.3%) |
600 | 15,514 (9.3%) |
15,526 (9.2%) |
15,406 (9.9%) |
15,600 (8.8%) |
16,243 (5.0%) |
15,532 (9.2%) |
電力使用量が300kWhくらいまではLooopでんきやmyでんきの標準プランが安く、それ以上はENEOSでんきの2年契約がいちばん安く、ついで東京ガスが安いです。
Looopでんきも使用量が増えてくると再び安くなってきます。
まとめと感想
電力使用量が少ない場合はLooopでんきやmyでんきの標準プランが安く、300kWhより多くなってくるとENEOSでんきの2年契約が最安になります。
我が家の使用量はだいたい250-400kWhの間で平均すると350kWhあたりなので、料金でみると東京ガスかENEOSでんきがいいかなと思います。
いちばん安いのはENEOSでんきですが、ポイントは東京ガスのほうが1%多いので、東京ガスが若干安くなります。
ガソリン割引まで考慮すれば、ENEOSでんきが最安になりますが、残念ながら我が家には車がありません。
3月中に申し込めば特典があるようですし(延長されるような気がしますが)、特に手数料も解約金もかからないので、とりあえず東京ガスに申し込んでみようかと思います。