米国利上げ、欧州量的緩和の前に海外債券投資信託を売ってみた

我が家では外貨資産の一環として、ある程度長期金利で運用したいと思い、ソニー銀行でSMT グローバル債券インデックス・オープンという海外債券投資信託を購入していました。
ベンチマークはシティ世界国債インデックス除く日本です。

グローバルといっても、米国が40%欧州が40%占めているので、それらの金利や為替の影響を相当に受けます。
米国の利上げと欧州の量的緩和を控え、私はグローバル債券投資信託は売却して、ドル建ての外貨MMFに切り替えることにしました。

海外債券投資のリスク

金利リスク

金利の変化により、債券の価値も変化します。金利が上がると、既存の債券の価値は下がり、下がると逆にあがります。
ただし、金利変化により、債券の価値が下がったとしても、満期に近づくにつれ額面に価格が近づくため、売却しなければ、損することはありません。

この投資信託のベンチマークになっているシティ国債インデックスの場合は、残存期間が1年未満になった場合はインデックスから除外されるため、満期まで1年を切った債券は売却されますが、そのときには金利変化による影響は小さなものとなっています。

実際にどの程度金利の影響があるかというのは修正デュレーションという値を見ればわかります。
この投資信託では約6.7年となっているので、全ての年限で金利が1%変化すると、投信の価値は約6.7%変化します。
投資信託の仮想的な満期とも考えられるので、一度金利があがったとしても長くともこの期間保有していれば、損することはありません。
実際は金利が上がった後の債券も組み入れらていくので、もっと短い期間で価格は戻るはずです。

米国の利上げの影響

利上げが行われると当然ながら金利はあがります。
6月にも利上げが行われるのではないかという報道から米国の10年国債の利回りは既にあがりつつあります。海外債券投資信託にはマイナスです。

ヤフーファイナンスより引用

欧州の量的緩和の影響

量的緩和は利上げと逆で、金利を下げる効果があります。海外投資信託にはプラスです。
ただし、量的緩和を行うということは政策金利は既にほぼゼロになっており、金利がさらに下がる余地は限定的です。

為替リスク

海外債券の投資において一番大きいリスクが為替リスクです。為替は時に大きく動くので、大きくリターンをに貢献することもあれば、金利による利益を吹き飛ばして大きく値下がりする原因にもなります。
自民党政権になり、日銀が量的緩和を始めて以来、ずっと円安基調が続いていたので、海外債券投資にはプラスの環境でした。

米国の利上げの為替への影響

米国で利上げが行われると、より利息の高いドルへと資金が流れ、為替は基本的にはドル高円安方向に動きます。
海外債券投資にはプラスに働きますが、為替のリスクがとれる商品は他にもあります。

ヤフーファイナンスより引用

欧州の量的緩和の為替への影響

量的緩和は利上げと逆で、ユーロ安円高方向へと働きます。実際量的緩和が発表された1月には大きくユーロ安がすすみました。
海外債券投資にはマイナスです。ただし日本も量的緩和を行っているので、一方的にユーロ安がすすむことはないかもしれません。

ヤフーファイナンスより引用

結論

以上のように、米国利上げは金利的にはマイナスですが、為替にはプラス、欧州の量的緩和は金利にはプラスですが為替にはマイナスです。
ドルの為替リスクは取りつつ、金利リスクは避けられるように、海外債券投信を売却し、より短期のドル建て外貨MMFに切り替えを行いました。
ユーロ資産は為替の影響のほうが、金利変化の影響より大きくなると考え、特に保有しないことにしました。

投資はあくまで自己判断ですが、少しでもご参考になれば、と思います。

モバイルバージョンを終了