ソニー銀行の外貨MMF税制変更対策
2015/12/04
2016年に外貨MMFの税制が変更されます。
これまでは、売却時の為替差益は非課税だったのが、2016年以降は20.315%で課税されはじめます。
もう年末ギリギリですが、私はソニー銀行で外貨MMFを保有していたので、それに備えてどういう対策をとるのがよいか調べてみました。
外貨MMFの税制変更対策
外貨MMFの税制変更は以下の2点です。
- 為替差益が課税対象に(20.315% これまでは分配金のみ課税)
- 他の投資信託や株式と損益通算可能に
外貨MMFに含み益がある場合
外貨MMFの利益が出ている場合は、2015年中に売却すれば利益に税金がかからないため、一旦売却して利益確定を行ったほうがよいです。
ここ数年で円安になったので、少しまえから外貨MMFを保有している場合には含み益がある人が多いと思います。
外貨を保有し続けたい場合は、一旦売却してその後同額を買い付けしなおす、クロス取引を行うとよいかと思います。
買い付けしなおすことで、購入単価が買い付け時のレートにリセットされます。
ただし、売買に手数料やスプレッドがかかるため、あまり利益が多くない場合は、そのまま保有していたほうが良い場合もあります。
外貨MMFに含み損がある場合
外貨MMFに含み損がある場合は、保有し続けて、2016年以降他の株式や投資信託と損益通算を行った方が良いです。
ソニー銀行の外貨MMFの場合
上記は一般的な外貨MMFの税制変更対策ですが、ソニー銀行の外貨MMFは少し特殊です。
ソニー銀行の場合、円預金口座からではなく、外貨預金口座から外貨MMFを売買することになるので、外貨MMFの売却で見た目の為替差損益は生じません。
ただし、実際には外貨預金から外貨MMFを購入した時点のレートで、外貨預金の売却、外貨MMFの購入が行われている扱いになっています。
2015年中に受け渡しが完了する取引に伴い発生する売却益ついては非課税です。なお、外貨MMFのお取り引きのために行った外貨預金の購入(外貨購入から外貨MMF購入時)と売却(外貨MMFの解約金受け渡しから外貨売却)で発生する為替差益は、総合課税の対象(雑所得)になります。
2016年以降受け渡しとなる売却から、外貨MMFを売却した際に発生する利益に対し20.315%が申告分離課税として課されます。
ソニー銀行における外貨MMFの購入から売却のながれは、
円口座から外貨預金購入->外貨預金口座から外貨MMF購入->外貨預金口座へ外貨MMF売却->円口座へ外貨預金売却
となりますが、そのうち
円口座から外貨預金購入->外貨預金口座から外貨MMF購入 の間で生じた為替差損益は外貨預金における為替差損益(雑所得 総合課税)、
外貨預金口座から外貨MMF購入->外貨預金口座へ外貨MMF売却 の間で生じた為替差損益は、外貨MMFの為替差損益(2015年中は非課税)、
外貨預金口座へ外貨MMF売却->円口座へ外貨預金売却 の間で生じた為替差損益は外貨預金における為替差損益(雑所得 総合課税)
となります。
以前はソニー銀行も上記を明記していなかったように思うので、「ソニー銀行の外貨MMFの為替差益は非課税ではないため、税制変更対策は必要ない」といった記事をみたりしますが、それは間違いです。
ソニー銀行の外貨MMFの税制変更対策
ソニー銀行の場合も利益が出ていたら、利益確定もしくはクロス取引、そうでなければそのまま保有、という対策は変わりません。
ただし、現状外貨MMFにおける為替差益がいくらなのかを把握することが簡単ではありません。
とりあえず、「外貨MMF 特定口座移行対象予定残高明細(2015年9月末)」という書類が電子交付されており、それを見ると9月末時点での残高の日本円相当の取得金額がわかります。
10月以降増減のない場合はそれと現在の残高を比べると為替差損益を把握できます。
10月以降の増減の多い場合は、「外貨預金の取引履歴」に外貨MMFを購入、売却した際のレートがでているので、それを使用して明細ごとに計算するしかなさそうです。
ソニー銀行の場合はクロス取引がお得
外貨MMF利益がでている場合は、売却もしくはクロス取引を行うことになります、
ソニー銀行は外貨預金の購入売却時にスプレッドがあり、外貨MMFの取引では手数料やスプレッドがかかりません。
そのため、クロス取引にコストがかからず、少しお得にできます。
まとめ
来年の証券税制変更に備えて、外貨MMFに利益が出ている場合は、2015年中に売却もしくはクロス取引を行った方が良いです。
逆に損失が出ている場合は、そのまま保有することで、来年以降損益通算を行うことができます。
ソニー銀行でも基本的には同様で、外貨MMFに利益が出ている場合は、売却もしくはクロス取引を行った方がよいです。
私は外貨はまだ保有しておきたかったのでクロス取引を行いました。